障がい者福祉施設「こっとん」ができるまで

こんにちは、現在 株式会社NEXT・DOOR代表として障がい者福祉サービス事業所「こっとん」を運営している依田 伸(よだ しん)です。

「こっとん」という名前は、綿毛のように、”ふわふわ、ゆったり”とゆるい感じで利用者のみなさんがここを心地よい場所と受け入れてくださるようにという願いから名付けました。

こっとんは、生活介護事業、就労移行支援事業、就労継続支援B型事業、短期入所(ショートステイ)、共同生活援助(グループホーム)と現段階では5つの事業に分かれており、それぞれの事業所で障がいのある方が楽しく生活できるように支援させていただいています。

「こっとん」を設立しようと考えたのは、息子の未来のことを考えたからです。私の子どもは、重度の知的障がいをもって私たち夫婦のところに生まれてきてくれました。

よく「生まれる前に赤ちゃんは、神様のところから見ていて『このお父さんとお母さんがいい』と両親を選んでお母さんのお腹にやってきてくれる」といいます。

私たちの息子は、本当に私たち夫婦を選んできてくれたのだと感じています。
息子が私たちの家族の一員になってくれたことで、彼の新しい成長や気づきや小さな幸せを感じ喜び合っている毎日でした。

しかし、ある日ふと・・・
重度の知的障害をもって生まれてきた息子は、私たち夫婦がいなくなったらどのようにいきていくのだろうか・・・。
という現実的な将来の問題に目を向けた瞬間、これまですっと一緒にいた息子の未来を考えなくては、と真剣に向き合ったのです。

この当時、私は役所に勤めており福祉課への転属になったこともあって、福祉サービスについて深く知ることができ、私たち夫婦は住んでいる地域にあるあらゆる福祉サービスの情報を集めました。

しかし、私たち保護者の立場の視点に立って探したときに、理想に近い福祉施設がなかなか見つからないまま時間だけが過ぎていき、もどかしい気持ちだけが残ってしまう日々が続きました。

「私の大切な家族を安心して預けることができる場所」

これが、私たち夫婦の絶対条件でした。福祉課での勤務経験は、私にとっては息子に関係することであったので全てが学びでした。
障がい者施設や事業所設立への法律というルールと、保護者という立場からの希望がうまい具合に混ざり合った場所がないということに直面した時、
「私が理想の場所を作るしかない」
だんだんと私の中での想いが強くなってきたのです。

こうして、市役所勤めを定年を待たずにして辞め、障がい者福祉施設を立ち上げることとなりました。

「こっとん」は、障がいをもって生まれた子どもたちを育てている保護者の目線で創られた、障がい者福祉施設なのです。

利用してくださる方と、利用してくださる方を家庭で支えてくださる保護者の方々が、安心して通ってくださるために、どんなことを求められているのかを一番に考えております。

建設中のこっとん

建設中のこっとん

継続は力なり

朝から夜まで利用者さんと共に事業所で過ごす日々なのですが「そんなに働いて、お疲れになりませんか?」と聞かれることがあります。

利用者さんと過ごす毎日の中に、たくさんの新しい発見があってそれを見つけることも、利用者のみなさんと一緒に活動することも体力も気力も使いますが、私にとっては喜びでしかありません。

日々活動的に過ごしておりますが、私は、幼い時に小児喘息を患っていました。喘息の発作が毎晩のようにあり、朝までぐっすりと眠ることができない日々もありました。

そんな時、両親の勧めで水泳と出会いました。ただ喘息を克服するために始めた水泳でしたが、続ける内に体力もつき、苦しんでいた喘息の発作もなくなり、大会等での結果も出すことができるようになり、いつの間にか水泳の魅力にはまっていきました。

両親の勧めで、ただ喘息を克服するために始めた水泳。喘息を克服。

両親の勧めで、ただ喘息を克服するために始めた水泳。喘息克服、水泳は、なくてはならないものに変わった。

「継続は力なり」私は水泳を通して、継続することは自分の力となり強みになることを実感したことで今でもふと泳ぎたくなり、時間があったらプールに出かけることもあります。
プールに入っていると、学生時代にきつい練習メニューをひとつひとつこなしていった自分を振り返り、どんなことでも最後まで頑張ることができたのです。

私にとって水泳とは、目標をクリアするための「気合い入れ」とも言いましょうか、大事な何かがある前には必ずプールに立ち寄ったり、選手として活躍していた時のことを思い出したりしています。

続けられる何かを見つけることができる場所

利用者さんの仕事の様子

障がいのある方も、毎日の中で少しずつ何か一つでも続けることができたとしたら、これから先、その方の強みになってきます。

その「続けられる何か」を、こっとんで一緒に見つけることは、私の役目だと感じていますので、障がいのあるみなさんが笑って表情を出してくれる瞬間を近くで見ることができた時、ついつい親の眼差しになってしまうこともあります。

私は、こっとんを利用してくださる全ての方を、我が子を育てるように大切に触れ合っていきたいという想いでいっぱいなので、親の眼差しになるのでしょう。

これからも利用者のみなさんと職員と共に、毎日の生活を賑やかに楽しく過ごすことができ心温まる場を作っていきたいと考えています。

利用者の方が、綿毛のように “ふわふわ、ゆったり”
「こっとんは、もうひとつのお家だ~」と、思ってくれることが私のしあわせです。

株式会社NEXT・DOOR代表

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